ShopifyでECサイトを構築する方法
ShopifyでECサイトを構築する方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
- 自分で構築する
- Shopifyの管理画面から直感的に操作できるため、専門知識がなくても基本的なECサイトを構築できます。
- 豊富な無料・有料テーマ(テンプレート)が用意されており、デザインのカスタマイズも比較的容易です。
- 費用を抑えたい場合や、自分でサイトの運用も行いたい場合に適しています。
- 基本的な構築手順は以下の通りです。
- Shopifyアカウントの登録: 無料体験期間(3日間)があるので、まずはこちらを試すのがおすすめです。
- テーマの選択とカスタマイズ: ブランドイメージに合ったテーマを選び、色、フォント、レイアウトなどを設定します。
- 商品の登録: 商品名、画像、説明、価格、在庫数などを登録します。
- 必須ページの作成: 会社概要、プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記、お問い合わせページなどを作成します。
- 配送と決済方法の設定: 送料や決済方法(Shopifyペイメントなど)を設定します。
- テスト注文の実施: 実際に購入がスムーズに行われるか確認します。
- ドメイン設定: 独自ドメインを利用する場合は設定が必要です。
- アプリの導入: 必要な機能(SEO対策、マーケティング、在庫管理など)は、Shopifyアプリストアから追加できます。
- 公開: 全ての設定が完了したら、ストアを公開します。
- フリーランスに依頼する
- 費用を抑えつつ、ある程度のカスタマイズや専門的なサポートを受けたい場合に選択肢となります。
- クラウドソーシングサイトなどで探すことができますが、スキルの見極めが重要です。
- 制作会社に依頼する
- 高品質なサイトを構築したい、複雑な機能が必要、運用まで含めてサポートしてほしい場合に最適です。
- Shopify公認の「Shopify Plusパートナー」や「Shopifyエキスパート」に認定されている制作会社は、高いスキルと実績が期待できます。
- 費用は高くなりますが、その分、集客や売上につながる質の高いサイトを期待できます。
Shopify構築にかかる費用
Shopifyの構築費用は、自分で構築するか、外注するかによって大きく異なります。
- 初期費用:
- 自分で構築する場合: ほぼ0円(ドメイン代は別途)
- 外注する場合:
- フリーランス: 数万円〜数十万円
- 制作会社: 15万円〜数百万円以上(カスタマイズの範囲による)
- デザイン制作、コーディング、データ移行、アプリ導入代行などが含まれます。
- 月額費用(ランニングコスト):
- Shopifyの月額利用料: プランによって異なります。
- Shopify Lite: $9 USD/月 (販売チャネルの一部としてShopifyの機能を利用)
- Basic Shopify: $25 USD/月 (約4,950円)
- Shopify: $69 USD/月 (約8,000円)
- Advanced Shopify: $299 USD/月 (約3万円)
- Shopify Plus: 大規模向け。費用は要問い合わせ。
- 決済手数料: Shopifyペイメントを利用する場合、プランによって決済手数料率が異なります(国内カードで3.15%〜)。外部決済サービスを利用する場合は、別途取引手数料がかかる場合があります。
- Shopifyアプリの月額利用料: 導入するアプリによって異なります(無料のものから月額数万円かかるものまで様々)。
- ドメイン代: 年間1,000円〜数千円程度。
- その他: 広告費、ささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)、ページ構成作成費用、SEO対策費用など。
- Shopifyの月額利用料: プランによって異なります。
Shopify構築に必要なもの
ShopifyでのECサイト構築に際して、事前に準備しておくとスムーズに進むものは以下の通りです。
- 販売する商品とその情報:
- 商品名、商品説明文(特徴、使い方など)
- 高品質な商品画像(複数枚、様々な角度から)
- 商品価格、在庫数、SKU(在庫管理単位)
- 商品のバリエーション情報(色、サイズなど)
- ブランドイメージ:
- ストアの名前、ロゴ
- ブランドカラー、使用するフォント
- サイト全体のコンセプトやターゲット層
- ドメイン:
- ストアのURLとなる独自ドメイン(例: example.com)。取得済みであれば設定、未取得であればShopifyまたは外部のドメイン登録サービスで取得します。
- ページコンテンツ:
- ストアについて(会社概要、ブランドストーリー)
- お問い合わせページ
- 特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、利用規約などの法的要件を満たすページ
- 配送ポリシー、返品・交換ポリシー
- 決済方法:
- クレジットカード情報(Shopifyペイメント利用のため)
- 銀行口座情報(売上の受け取り用)
- その他:
- サイト運営に必要なスタッフ体制
- マーケティング戦略(SNS、広告など)
- 物流・配送方法の手配
Shopifyで構築するメリット・デメリット
メリット
- 手軽にECサイトを開設できる: 専門的なコーディング知識がなくても、管理画面から直感的に操作できます。
- 豊富なデザインテンプレート: 無料・有料のテーマが多数用意されており、ブランドイメージに合ったデザインを選べます。
- 高い拡張性: Shopifyアプリストアには豊富なアプリがあり、機能の追加やカスタマイズが容易です。
- 多機能: 商品管理、注文管理、顧客管理、マーケティングツール、決済機能など、ECサイト運営に必要な機能が揃っています。
- SEOに強い: Googleなどの検索エンジンに最適化された構造になっており、集客に有利です。
- 強固なセキュリティ: Shopifyがセキュリティ対策を行ってくれるため、安心して運用できます。
- 多言語・多通貨対応: 海外販売を視野に入れている場合に有利です。
- サポート体制: 日本語のヘルプセンターやサポートが充実しています。
デメリット
- 月額費用がかかる: 無料プランがないため、運用には毎月の費用が発生します。
- カスタマイズに限界がある場合も: 複雑なオリジナルデザインや機能が必要な場合は、専門的な知識(Liquid言語など)や外部の制作会社が必要になります。
- アプリの費用がかさむ可能性: 多くの機能を追加しようとすると、アプリの月額費用が予想以上にかかる場合があります。
- 自由度が限定的: オープンソース型のECカート(EC-CUBEなど)に比べると、システムの自由度は低いです。
Shopifyは、越境EC(クロスボーダーEC)を始める上で非常に強力なプラットフォームです。海外の顧客に商品を販売するための多言語・多通貨対応、税金・関税の自動計算、地域ごとの決済方法の導入など、越境ECに必要な機能が充実しています。
Shopifyで越境ECを始めるメリット
- 多言語・多通貨対応が容易:
- Shopify Markets機能: Shopifyの越境EC機能「Shopify Markets」を使用すると、地域ごとに異なる言語、通貨、価格、支払い方法、税金、配送設定などを一元的に管理できます。これにより、各市場に合わせたローカライズされたショッピング体験を提供し、購入率向上に繋げられます。
- 自動通貨換算: 顧客の所在地に基づいて、自動的に現地通貨で価格を表示できます。これにより、顧客は価格を把握しやすくなり、信頼性が向上します。
- 複数言語対応: アプリを使用するか、Shopify Marketsの機能を使って、ストアのコンテンツを複数の言語に翻訳し、顧客の母国語で情報を提供できます。
- 決済方法の多様性:
- Shopifyペイメントは135種類以上の通貨に対応しており、主要なクレジットカード決済はもちろん、PayPal、Apple Pay、Google Payなど、世界的に普及している決済方法を導入できます。
- さらに、各国・地域で主流のローカル決済方法(中国の銀聯カード、東南アジアの代引きなど)にも対応できるため、カゴ落ち率の低減に繋がります。
- 税金・関税の自動計算と徴収:
- 越境ECにおいて複雑な各国の税金(VAT、GSTなど)や関税の計算をShopifyがサポートします。
- チェックアウト時に自動で関税や輸入税を徴収する設定も可能で、顧客に「隠れた費用」を意識させずに済み、トラブルを未然に防げます。
- HSコードの設定により、正確な関税計算をサポートします。
- 配送設定の柔軟性:
- 配送先国ごとに異なる送料設定や配送オプション(エコノミー、追跡可能、速達など)を提供できます。
- DHL、FedEx、UPS、日本郵便などの主要な国際配送業者との連携も可能です。
- 関税や輸入税の支払い責任(DDU/DDP)を明確に表示できます。
- スケーラビリティとサポート:
- Shopifyは、事業規模が拡大しても対応できるスケーラビリティを持っています。
- 豊富なアプリを活用することで、マーケティング、在庫管理、顧客対応など、越境ECに必要な機能を柔軟に追加できます。
- 多言語でのサポートも充実しており、問題発生時にも対応しやすいです。
Shopifyで越境ECを始める際のステップ
- 市場調査とターゲット国の選定:
- どの国で商品を販売するかを決定します。現地のニーズ、競合、文化、消費者の購買行動、法律・規制などを徹底的に調査しましょう。
- 特に食品や化粧品は、国によって輸入禁止成分や規制が細かく異なるため注意が必要です。
- Shopifyアカウントの開設と基本設定:
- 通常のECサイトと同様にShopifyアカウントを作成します。
- 商品の登録、ストアデザインの選択とカスタマイズを行います。
- 海外向けの設定(Shopify Markets):
- Shopify Marketsの設定: 管理画面からShopify Marketsにアクセスし、ターゲットとなる国や地域を追加します。
- 通貨設定: 各マーケットの現地通貨を設定し、自動通貨換算を有効にします。
- 言語設定: Shopifyの多言語機能や翻訳アプリを利用して、ストアのコンテンツをターゲット国の言語に翻訳します。
- 価格設定: 必要に応じて、マーケットごとに異なる価格や割引を設定します。
- 決済方法の設定:
- Shopifyペイメント以外にも、ターゲット国でよく利用される決済サービス(PayPal、Alipay、WeChat Payなど)を導入します。
- 配送設定と関税・税金の設定:
- 配送エリアの追加: 「設定」→「配送と配達」から、海外の配送エリアを追加し、送料を設定します。
- 配送業者の選定: 信頼性が高く、追跡サービスが充実している国際配送業者を選びます(DHL, FedEx, UPS, 日本郵便など)。
- 関税・輸入税の設定: チェックアウト時にこれらを徴収するか、顧客負担とするかを明確に設定します。HSコード(品目分類コード)を正確に設定することが重要です。
- 法的要件の確認とページ作成:
- 特定商取引法に基づく表記: 日本国内の消費者にも販売する場合は必須ですが、完全に海外販売に特化する場合は不要です。ただし、日本の輸出に関する規定は遵守する必要があります。
- プライバシーポリシー、利用規約、返品・交換ポリシー: 各国の個人情報保護法(GDPRなど)や消費者保護法に準拠した内容で作成し、分かりやすい場所に表示します。特にGDPR(EU一般データ保護規則)の対象となる場合は、Cookie同意バナーの設置やデータ取り扱いの明示が必要です。
- インコタームズの明記: 配送条件(FOB, CIF, DDPなど)を明確に記載し、関税・輸入税の負担者を明示します。
- 集客とマーケティング:
- ターゲット国の文化や消費者の行動パターンに合わせたマーケティング戦略を立て、広告出稿やSNS活用を行います。
- 現地のSEO対策も重要です。
越境ECにおける注意点
- 言語と文化の壁: 単なる翻訳だけでなく、現地の文化や慣習に合わせた表現やデザインが必要です。
- 関税・税金・法律の複雑さ: 各国の税制や輸入規制は複雑で常に変動します。専門家への相談も検討しましょう。
- 配送トラブルとコスト: 国際配送は国内よりも時間がかかり、トラブルも発生しやすいため、信頼できる配送業者の選定と、追跡サービスの提供が重要です。送料が高いとカゴ落ちの原因にもなるため、価格設定も慎重に。
- 為替変動リスク: 通貨の変動により、利益が変動する可能性があります。
- 顧客対応: 時差や言語の違いがあるため、問い合わせ対応や返品・交換のプロセスをスムーズに行える体制が必要です。
- 輸入禁止品・成分: 国によって輸入が禁止されている商品や成分があります。特に食品、化粧品、医薬品などは事前に確認が必須です。